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ENDO KAYA

モロッコ在住17年。モロッコファッション&インテリアを独自路線でお届けします。
モロッコ情報ブログ

モロッコ雑貨の魅力


アラベスク模様

  モロッコ雑貨ってどんなモノ?どこで誰が作っているのか。
最近のモロッコ手工芸を取り巻く世情も含めお伝えします。


  アラベスク模様

 

モロッコ雑貨が生まれるのはメディナと呼ばれる中世の趣を残した旧市街。
迷路のように入り組んだこの路地は、手前の方にはさまざまな雑貨の店が並び、
奥へ行くにしたがって鉄を打つ音やミシンを踏む音が聞こえる、職人の工房が立ち並びます。
すぐ側で職人が作った商品が、手前の店の店頭に並ぶ。
それは中世と変わらない物流システムです。


マラケシュメディナ・スークの中
 

モロッコに古くからあった手工芸品が、モロッコ雑貨として広く認知されるに至ったのには
多くの職人の存在が欠かせません。
バブーシュ、バッグ、ランプ、アクセサリー、陶器、布製品、、、身につける物からインテリア、
キッチン用品にいたるまで、すべてがモロッコの職人が製作した手工芸品です。
ここは会社員より圧倒的に職人が多い世界。
伝統的に作られてきた手工芸品は、日本のように一部の卓越した伝統職人の制作する高価な物ではなく、
モロッコの人々にとって身の回りに溢れるごくありきたりな日用品、一番身近な存在なのです。



 

近年のモロッコ雑貨ブームにより、メディナのお土産屋さんにも、残念ながら
中国製の「モロッコ雑貨デザイン」の工業製品が並んでいる姿を見かけるようになりました。
しかし、手にとってみると、それはやはり「モロッコ雑貨」ではありませんでした。
人の手が作った形や風合いをしていなかったのです。
鮮やかな色合いやデザインを模倣しただけでは「モロッコ雑貨」とは言えない。
モロッコで人の手がメインの制作工程で作られるから素敵なのだと思い至りました。
 



職人の工房
 
 

近年、モロッコでは観光開発が進み、高級ホテルが次々にオープンしたり、
メディナの古い一軒家を「リヤド」と呼ばれる中庭のある伝統的でモダンな邸宅に
改装したホテルやレストラン、カフェがブームとなって、素敵な空間を作り上げています。
このような流れに伴い、アート作品やインテリア雑貨をはじめ、モロッコ雑貨の市場が拡大し、
年々洗練され、デザイン性も高くなってきました。

 

行政やメディアもこの動きに賛同し、多くの展示会も開かれるなど国内外から注目を集めています。



リヤド
 

モロッコ雑貨と言えば、エキゾチックな装飾とカラフルな色彩が特徴ですが、
そのデザインの源は、イスラムの装飾文化です。
イスラムでは一切の偶像崇拝を禁じていることから、人や動物を使用しない、
模様としての装飾文化が発達してきました。

モスクや宮殿のモザイク、複雑な造形の天井の美しさをみればその素晴らしさは一目瞭然です。
モロッコの場合、このイスラム装飾にアフリカの鮮やかな色彩と土着のベルベル人の素朴でかわいらしい感覚、
さらにフランスの洗練されたセンスが加わり、斬新で、エキゾチックで
オシャレな雑貨として日本でもファッション雑誌に登場するようになりました。

 

また、モロッコとモロッコ雑貨に魅せられた多くの外国人が
現地の職人とコラボレーションしてブランドを立ち上げたり、
雑貨や服を扱うブティックをオープンしたりしていることも、盛り上がりを見せている大きな要因と言えます。



ブティック
 

アトリエフォカリでも、モロッコの伝統的な技法と現地で手に入る素材を使って
身近な職人さんと作る商品に力を入れています。
モロッコで暮らし目にする何気ない風景や物、そんな日常の暮らしの中からたくさんの
インスピレーションを受け、モロッコ雑貨の魅力を伝えられる商品を作りたいと思っています。

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